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涙は角膜や結膜に酸素や栄養を届けるほか、小さなゴミや老廃物を洗い流し、乾燥を防ぐ役割を持っています。涙は上まぶたの涙腺で作られ、眼の表面を潤した後、目頭にある直径2㎜ほどの涙点から鼻の奥へと流れ出ます。約10%は目の表面から蒸発します。
涙点の先には細い涙小管があり、その先に涙嚢という袋状の部分があります。そこから鼻涙管を通って鼻の奥に流れます。この涙が分泌されてから排出されるまでの経路を涙道と呼びます。
何度も涙が流れたり、視界が涙でかすんだり、メガネのレンズがすぐに曇ったりしませんか。また、目やにが溜まりやすくなることもあります。このような症状は一般的に「涙目」と呼ばれ、医学的には「流涙症」として知られています。
眼にゴミがはいると、目が痛くなると同時に涙が出る経験をしたことがあると思います。異物が入ると、眼には涙を出して排除する働きがあり、バイ菌が入った時に結膜炎や、花粉症でも、痛みやかゆみ、眼脂(めやに)と一緒に涙が出て流涙症になります。また、逆さ睫毛などが目に触れているような時でも、刺激で流涙が起きます。涙の流れが悪くなることで、涙が溜まってしまって流涙になることもあります。涙道閉塞です。結膜(白目)に皺ができる結膜弛緩(けつまくしかん)症でも、涙の流れが悪くなり、流涙症を起こします。また、瞼は瞬きをすることで、涙を送り出すポンプの役割をしているため、加齢などで瞼が緩んで、眼瞼が内反症や外反症でも、涙が溜まって流涙症を起こします。
涙が目から鼻に流れる経路である鼻涙管(びるいかん)が閉じてしまっている状態です。通常、鼻涙管は開いていて、涙は鼻へと流れ込みます。しかし、鼻涙管が閉塞すると、涙は鼻に流れずに目にたまり続けます。花粉症などの鼻炎症状が強い場合にも、鼻水で開口部が詰まって、涙道閉塞と同じ症状になることがあります。
鼻涙管閉塞症は先天性と後天性があります。先天性は乳幼児に起きるもので後述致します(→赤ちゃんの鼻涙管閉塞症をご覧下さい)。後天性では点眼薬や涙道ブジー(針金のようなもので鼻涙管を通す処置)などをしても改善しないこともあります。難治性の場合は、涙管チューブ挿入術や涙の通り道の涙嚢(るいのう)と鼻を交通させる手術(涙嚢鼻腔吻合術)を行うことがあります。
鼻に流れない涙が逆流し、目の表面に溜まります。反射で流涙は刺激分泌されますので、冷たい空気が目に触れたり、くしゃみをしたりしても涙が出るかもしれませんね。何度も拭くうちに目の周りの皮膚が赤くかゆくなってくることもあります。また、運転中やお出かけの際に涙が出ると困ることもあると思います。
鼻涙管閉塞とは、鼻と目をつなぐ涙の通り道が詰まっている状態です。涙の流出が妨げられ、涙が溜まるため細菌感染を起こしやすく、これが長引くと涙嚢や目の周囲の皮膚が赤くなり、涙嚢周囲炎や眼瞼炎になることがあります。先天性は生後間もない時期は鼻涙管が未発達なために流涙が見られますが、通常は自然に改善します。改善が生後6か月以上経過してもない場合は、処置が必要な先天性鼻涙管閉塞症を疑う必要があります。
赤ちゃんの涙道、つまり余った涙を目の表面から吸い取って鼻へ通す流れの道は、鼻涙管は細く、まだ未熟なのでうまく働いていないことがあり、横になって眠っている時間の長い月齢の低い赤ちゃんほど流涙は目立ちます。生後5,6か月までは、余った涙は清浄綿などで優しく拭いて、涙道の適切なマッサージを行います。あまり眼脂がひどいときは抗生剤点眼を適宜使っていきながら、生後7か月以上経過しても自然に治っていかない場合は、鼻涙管閉塞症として通水検査とブジーを行います。
赤ちゃんは鼻涙管が細いのですが、鼻涙管から鼻腔へ開くまでの管にお母さんのお腹の中にいた頃からの薄い膜が残ってしまっていることがあります。自然に膜がとれることがほとんどですが、生後7か月以上経過しても自然にとれず流涙や目やにが目立つ場合には、通水検査とブジーを赤ちゃんに行います。通水検査は金属製の細いストローのような管を涙点に入れて水を入れて生理食塩水を注入して鼻腔へ流出するかをみます。生理食塩水が鼻腔に入れば「ごくん」と飲み込む嚥下が必ずありますが、それがなく逆流する場合は閉塞と診断して治療を行います。ブジーは、細く先端が丸まっている針金のようなものを涙点から涙小管、涙嚢を経て鼻涙管に針金を進めて、閉塞部分を破いてきます。当院では1歳未満の子を対象にしております。それ以上の年齢のお子さんは鎮静下での処置が必要となるため、子どもの専門病院に紹介しております。
赤ちゃんから6歳ぐらいまでの間は、目がぐんぐん成長する大事な時期です。この時期に目のピントが合わないと、視力や立体的に見る力がちゃんと育たないことがあります。だから、3歳児健診はとっても大切です。お子さんの視力や目の機能がしっかり発達しているかを確認しましょう。もし何か問題が見つかっても、早く治療を始めれば効果が期待できます。
3歳児健診は、市町村が母子保健法に基づいて行う大切な健康診査です。対象は、満3歳から4歳になる前のお子さんです。
視力がしっかり発達する時期を逃してしまうと、その後の治療では視力を十分に発達させることが難しくなります。ですから、弱視を治すためには、早めに見つけて治療を始めることが大事です。生まれて初めて視力を測る「3歳児眼科健診」は、弱視を早く見つけるためのとても大事な健診です。3歳までに弱視を見つけ、就学前の6歳までには弱視治療を終えて小学校に入学に備えたいですよね。
お子さんのためにも、ぜひ健診を忘れずに受けてください。健診会場で上手く屈折検査と視力検査が出来なかった場合、小児眼科の受診を薦められると思います。「こんな小さい子は視力検査が出来ないのでは?」「眼科って小さい子も受診できるの?」と心配や不安もあると思います。当院では、小さい子どもの視力検査に習熟した視能訓練士が視力検査を行っています。お子さんができるような絵視標(蝶々や犬などのシルエットを返答する)、ランドルトハンドル(指で方向を示せない小さい子に自動車のハンドルのようなランドルト環を持ってもらい同じ位置に動かしてもらい返答する)、診察室などで行う森実ドットカード(指で絵のうさぎの目を触る)などの方法をとって子どもの視力を評価しています。
当院では、子どもでも簡単に視覚検査ができるスクリーニング検査機器『スポットビジョンスクリーナー』を導入しています。3歳児健診でこの機器を使った検査を実施しています。スポットビジョンスクリーナーは、あごを載せて覗き込むオートレフラクトメーターでは検査することが出来ない乳幼児でも、屈折検査などが行うことができる画期的な検査機器です。
この機器は、家族写真をカメラで撮影してもらうような雰囲気で、保護者の方に抱っこしてもらいながら、カメラを数秒見つめるだけで、近視・遠視・乱視などの屈折異常や屈折の左右差、瞳孔不同、斜視などを瞬時に検査することができます。痛くもないし、驚くようなフラッシュがまぶしく光ることもありません。