世田谷区で地域に密着した医療を提供 眼科・小児眼科のことなら砧ゆり眼科医院
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メディカルテラス砧3階
眼の治療に関することはお気軽にご相談ください。
視覚とは、外界からの光刺激を受け止めて、ものの形・明るさ・色などが「見える」という感覚です。光の刺激を眼で電気の信号に変えて視神経から脳に送り「見える」という感覚が生まれます。眼に入った光が、角膜⇒水晶体⇒硝子体を通って網膜で像を結び、その情報が視神経を通って脳に送られ、脳が映像として認識することなのです。ヒトは目から80~90%の情報を得るといいます。
ものを見る仕組みは、よくカメラに例えられます。
水晶体はオートフォーカスのレンズ、そして眼球の後方にある網膜はフィルムカメラでいうところの大切なフィルムに例えられるます。網膜に結んだ像が視神経を伝って脳へと伝えられ、脳で画像として認識されるのは、デジタルカでメメラでいうなればパソコンやスマートフォンで画像を認識してディスプレイに描き出すようなものです。
水晶体は、ある程度の弾力性をもっており、眼球の周りにある毛様体とよばれる筋肉によって、近くを見るときは分厚くなり、遠くを見るときは緊張を解いて薄くなり、屈折率を変えることによって網膜へピントをあわせる働きをしています。これがオートフォーカスの機能を果たしています。このピント調節機能がきちんと機能している場合を正視といいます。この働きに異常が生じ、正確に網膜に像を結ばなくなった状態を屈折異常といいます。
屈折異常は近視・遠視・乱視に大きく分けられます。
眼に入った平行線の招待が網膜の前方にある状態です。眼の長さ(眼軸長)が長いため起こる軸性近視と、屈折力が大きいために怒る屈折性近視があります。頻度が多いのが軸性近視です。眼の長さが1㎜伸びるごとに約3Dの近視化が生じるとされています。頻度が少ない屈折性近視では、毛様体筋といわれているピント調節のための筋肉が緊張し続けていると仮性近視や偽近視といわれる病態が生じ、調節麻痺薬の点眼でもとの状態に戻ります。
近視では、近くがはっきり見えて遠くがぼやけて見えます。
近視は環境因子と遺伝因子が両方関与しているのですが、現在は環境因子の影響の方が大きいと考えられています。近くを見続ける作業、例えば読書、パソコン、スマホ、電子ゲームなどです。小学校高学年から中学にかけて学童期以降に発症する近視はが学校近視とよばれ、環境因子の影響が大きいです。遺伝因子が強い近視は、小学校入学前に発症する傾向があります。また、重度の近視には遺伝因子の影響が大きいとされています。
軸性近視では、眼軸長が伸びて年齢変化が加わると、眼球の壁が伸びて網膜・脈絡膜・強膜がすべて伸ばされて薄くなるため、さまざまな眼底所見の異常が生じます。網脈絡膜萎縮、眼球が後方に突出していびつになる後部ぶどう腫、網膜に新生血管が生じて吸収された後の病変などがあります。
黄斑部に病変を生じたものは、視力や視野障害をきたし、近視性黄斑変性(近視性黄斑萎縮)とよばれます。
病的近視は失明(視覚障害1級)の原因の第4位です。
遠視は、眼に入った平行線の焦点が網膜の後方にある状態です。眼の長さ(眼軸長)が短いために生じる軸性遠視と、角膜や水晶体の屈折力が小さいために生じる屈折性遠視があります。
通常、新生児の眼軸長は約16㎜で+2.0Dの遠視が普通ですが、成長とともに眼球は大きくなり、6~7歳で成人の約24㎜に達して正視の状態になるのが通常とされています。
遠視では、軸性でも屈折性でも、眼の長さに対して屈折力が足りない状態であるため、調節という目のピント合わせの力を使って焦点を合わせることができます。しかし、調節負荷が大きく、つまり目の筋力を使い果たしてしまうことが多く、目の疲れを自覚することが多い傾向にあります。加齢に伴い、調節力が低下すると近くも遠くもピントがぼやけた見え方になってしまいます。
角膜の局面の歪みによって屈折力が一定でないため、眼に入る平行線が一か所に集光されない状態をいいます。乱視の分類は屈折の方向や状態によって専門的に分けられています。症状は、ものがぶれて見えてしまい、視力が下がることです。
遠視や近視はぼやけるのが距離に応じてというのが特徴ですが、乱視はぼやけてみえる方向があるというのが特徴です。
対象やぶれる方向は、乱視の種類や調節の状態によって変わります。
暗い所や夕方から夜にかけて瞳が開いて散瞳になってくると、光の入る幅が広がるため、ぶれが大きくなり症状を自覚しやすくなります。
乳幼児の強い乱視は弱視の原因になります。また、ぶれやずれをなんとか調節筋の力で補正しようと負担がかかるので、眼精疲労の原因になります。
近くを見るときは、水晶体を支える毛様体筋が収縮すると、水晶体が厚くなって屈折力が増すようになっています。水晶体の厚みの変化は水晶体の弾力によるものです。老眼というのは、加齢に伴って水晶体の弾力が失われて硬くなり、ピント合わせをする調節力が低下した状態です。
名前が「老眼」なので、おじいさんやおばあさんの高齢者の方がなると思われがちですが、30歳代から緩やかに調節力は低下していきます。大まかにいえば、10歳を基準とすると、30歳ではその半分、40歳では10歳の30%ほど、60歳では10歳の7%ほどになります。
「20歳の頃の眼に戻してほしい!」というお願いを医学的に叶えることはできませんが、低下した調節力を補うために、眼鏡の度数を近くをみるために適切な度数に調節したり、遠近両用眼鏡や、遠近両用のコンタクトレンズを柔軟に取り入れていきましょう。
当院では視能訓練士が視力検査と眼鏡度数の選定を行って、院長が度数の最終確認を行ったうえで眼鏡処方箋を発行しております。どうかお気軽にご相談ください。また、眼鏡処方をご希望の際は、これまで使用していた眼鏡ではなにがどんなものを見る時に困っていたのか等を具体的に教えて頂けますと、よりご希望に即した眼鏡選定ができますので、どうかご持参下さい。
「スマホ老眼」(正式には「スマホによる近業性眼精疲労」や「デジタル眼精疲労」とも呼ばれます)は、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスを長時間使用することで、特に近距離でピントを合わせ続けることによって起こる症状です。多くの人が現代の生活でスマートフォンやパソコンを頻繁に使用しているため、特に若い世代でも「スマホ老眼」のような症状を訴える人が増えています。
スマートフォンを長時間見ることで、近距離にピントを合わせ続ける状態が長時間続きます。このため、目の筋肉が疲れ、ピント調節力が低下し、一時的に遠くのものが見えづらくなることがあります。これが、いわゆる「スマホ老眼」の主な原因です。
スマートフォンの普及により、多くの人が以下のようなデジタルデバイスを多用しています。
メールやSNSのチェック、動画視聴、ゲームやアプリ利用、読書(電子書籍)、オンラインでの仕事や会議などです。
特にスマートフォンは、日常的に持ち歩くデバイスであり、通勤中や休憩時間にも頻繁に利用されます。現代人は1日に数時間から場合によっては10時間以上もスマホを見ていると言われています。
多くの人が長時間スマホを使用するため、「スマホ老眼」のような症状が以前よりも一般的になっています。
スマホ使用の影響としては、以下のような症状が報告されています
特に長時間近くのものに集中していると、遠くを見る際にピントが合わずにぼやけるという「調節機能の低下」が生じやすくなります。これが「老眼」と似た症状を引き起こし、若い世代でも「スマホ老眼」と呼ばれるようになったのです。
☆定期的に休憩を取る20分に1回、20秒間、6メートル以上離れたものを見る「20-20-20ルール」が推奨されています。
☆画面の明るさ調整スマホの明るさを適切に調整することで目の負担を軽減できます。
☆目のストレッチ意識的に遠くを見たり、瞬きを増やすことで、ピント調節機能をリフレッシュします。
当院では、患者さんの仕事やデジタル環境についてお話を伺いながらアドバイスや改善策の提案を行い、調節改善を目的とした点眼剤や角膜の保湿点眼を処方して症状の軽減をはかって参ります。
両眼同程度の強い遠視や乱視があると、くっきり見ることができず両眼とも視力の発達が妨げられます。
また、左右眼の屈折値に差があり、適切な眼鏡をかけても、より屈折異常が強い方の眼の視力がもう片方の眼より明らかに発達が不要な状態を不同視弱視といいます。子どもは片眼が良く見えているとなにも不自由なく行動することが出来るため、日常生活では気が付かれないことがほとんどです。見過ごされやすいため、3歳児健診で最も発見せねばならない弱視の一つです。
屈折異常が起こると、ピントを合わせようと目に負担がかかり、強い眼精疲労を引き起こすことがあります。特に、近年はパソコンでの作業が日常となり、趣味の時間もスマートフォンやタブレットを使用することが増えたため、屈折異常によるストレスは増加傾向にあります。
また、適切な度数の眼鏡やコンタクトレンズを使用しない場合、目にさらなる負担がかかり、やがて視力の問題だけでなく、心身に悪影響を及ぼすこともあります。
当院では、さまざまな検査機器を用いて精密な視力検査を行い、患者様一人ひとりに適した眼鏡やコンタクトレンズを処方しています。さらに、遠近両用に加え、パソコン画面や新聞など異なる距離に対応できる中近両用レンズなど、生活スタイルに合わせた視力矯正の提案も行っております。ぜひお気軽にご相談下さい。