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低濃度アトロピン
(自費診療)

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低濃度アトロピン点眼による近視抑制

日本の子どもの近視は、この30年間で著しく増加し、重症化するケースも増えています。特に、新型コロナウイルス(COVID-19)による自粛政策の影響で、自宅でのリモート学習やデジタル機器の使用が増えたことで、近視がさらに進行したとの報告もあります。現在、学校現場ではタブレット端末を活用した授業や宿題が増え、生徒が教室内でデジタルデバイスを操作して学習を進める機会も拡大しています。このように、子どもたちの学習環境がICT化される一方で、読書やデジタル視聴など、近距離での視覚活動が増えることで近視の進行リスクが高まっています。そのため、近視の進行をどのように抑えるかは、非常に重要な課題となっています。

当院では、薬物療法として0.025%低濃度アトロピン点眼液による近視抑制を提供しています。
☆香港のLAMP研究(Low-Concentration Atropine for Myopia Progression (LAMP) Study. Ophthalmology. 126(1): 113-124, 2019)では、0.025%アトロピン点眼液が初年度で約30%の眼軸長の進行を抑制する効果が確認されました。(より高濃度の0.05%点眼液では、効果がさらに強いことが示されましたが、治療を中断するとリバウンドが大きく生じるため治療終了には注意が必要です。)

当院の近視抑制治療方針としては、お子さんに与える負担が最小限であること、治療は15歳頃まで継続することを前提としており、保護者の方への経済的負担や労力を軽減することを重視しています。また、治療に伴う合併症リスクも最小限に抑えることを目的としています。より先進的で徹底した近視抑制療法をご希望の方には、専門的な治療を行う他の医療機関へのご相談もご案内いたします。

治療の開始時期

当院では、近視抑制治療の開始年齢を最低5歳としております。この低濃度アトロピン点眼による治療は、できるだけ早い段階、特に低年齢から開始することで、より高い効果が期待できることがわかっています。ただし、この点眼治療によって、既に進行している近視が改善されるわけではありません。そのため、「近視が強くなってから治療を始めよう」という考えではなく、近視が判明した時点で、早めにお子さんとしっかり話し合い、治療を開始することが重要です。早期の治療開始が、将来的な近視の進行を抑えるために最も適切な対応といえるでしょう。

注意事項

点眼の継続にあたっては、半年置きに受診して定期検査を必ず受けてください。点眼液はファーマシー大蔵薬局でお受け取り下さい。その際に薬局に薬剤料をお支払いをお願い致します。防腐剤が極めて少ない点眼液になりますので、必ず冷蔵庫で保管し1か月経過したら余っていても廃棄して決して使用しないでください。当院では6か月以内に定期検査を受けていることが確認できた患者さんに対して、低濃度アトロピン点眼液の処方箋を発行します。その際には予約は不要です。

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